あまりメジャーなスケールではなく、内容も複雑。「知らない」「よく分からない」という人の方が多いスケールです。
この記事では、そんな「ハーモニックマイナー」の特徴やスケール・ダイアトニックコード一覧についてご紹介します。
- マイナースケールの3種類と特徴
- ハーモニックマイナースケールの一覧
- マイナースケールのダイアトニックコード比較
- ハーモニックマイナースケールの活用法
- おすすめのギター音楽教室と教則本
ギターやピアノで即興演奏してみたい人、作曲や音楽理論の理解を深めたい人なども参考にしてみてください!
Contents
マイナースケールとは
まず、「マイナースケール」(短音階)とは何かについて、ご説明します。
そもそもスケールとは
そもそもスケールとは”音階”、つまり「ドレミファソラシ」のような”音の階段”のことを言います。
最も有名な「ドレミファソラシ」は”明るい響き”をもつメジャースケールと呼ばれるもの。
スケールには他にも、後述するマイナースケールや、5音だけでできた「5音音階」など色々あります。
「メジャースケール」の知識があると「マイナースケール」も理解しやすいので、ご興味のある方はぜひ、こちらの記事を参考にしてください。
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マイナースケールの特徴
ピアノのキーボード上、黒鍵を使用せず最も演奏しやすいマイナースケールは上の画像にある「ラシドレミファソ」。
起点の音から「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」という規則性で並んだ音階のことを指し、”暗い響き”をもっています。
「ド」を起点としたマイナースケールは下記の画像の通りです。
「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」という規則性から「ミ・ラ・シ」の3音に♭がついています。
マイナースケールは3種類
ギターやピアノ、作曲で活用しやすいマイナースケールは3種類あります。
上で紹介したナチュラルマイナースケールの他に、ハーモニックマイナースケール、メロディックマイナースケールの合計3種類です。
まず、簡単にそれぞれの音の並びの規則性と作られた背景について解説します。
ナチュラルマイナースケール(自然短音階)
ナチュラルマイナースケールは「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」規則性で並ぶ音階のことです。
ナチュラルマイナースケールは、7番目の音が、”主音”と呼ばれる起点の音に戻る時に、全音であるため少し不自然な響きがします。
そこで、7番目の音を半音に調整し整えてできたのがハーモニックマイナースケールです!
ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)
ハーモニックマイナースケールの音階は「ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ・ド」です。
ナチュラルマイナースケールの7番目の音を半音上げ、「主音」に戻りやすい音を取り入れた音階になっています。
6番目と7番目の音の間隔が「全音+半音」になっているため、少し独特な響きになることがハーモニックマイナースケールの特徴です!
他のマイナースケールよりもより暗く、哀愁漂う響きで、怪しげな雰囲気もプラスできるスケール。
メロディックマイナースケール(旋律的短音階)
メロディックマイナースケールは、ハーモニックマイナースケールの違和感をなくして生まれたスケールです。
具体的には、ハーモニックマイナースケールで全音+半音の不規則な開きがある6・7番目を改善するため、6番目の音を半音上げています。
不規則な開きを改善したことで、3番目以外の音がメジャースケールと同じに。メジャースケールと同じ音階が多いことから、比較的明るい響きのマイナースケールになっています。
ハーモニックマイナースケールの種類一覧
3種類のあるマイナースケールの中で、最も暗い響きをもつ「ハーモニックマイナースケール」について詳しく紹介します。
ハーモニックマイナースケールは全12種
ハーモニックマイナースケールは全部で12種類あります。
なぜなら、ドからシまでの1オクターブの中に白鍵と黒鍵を合わせた12個の音が存在し、それぞれの音が起点となるから。
音の並びが「全音・半音・全音・全音・半音・全音と半音・半音」の共通の規則性をもつスケールがハーモニックマイナースケールです。
ハーモニックマイナースケールの一覧
共通の規則性をもつハーモニックマイナースケール12種類の一覧は以下の表の通りです。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ | |
ド | ド | レ | ミ♭ | ファ | ソ | ラ♭ | シ |
ド# | ド# | レ# | ミ | ファ# | ソ# | ラ | シ#(ド) |
レ | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ♭ | ド# |
レ# | レ# | ミ#(ファ) | ファ# | ソ# | ラ# | シ | ド##(レ) |
ミ | ミ | ファ# | ソ | ラ | シ | ド | レ# |
ファ | ファ | ソ | ラ♭ | シ♭ | ド | レ♭ | ミ |
ファ# | ファ# | ソ# | ラ | シ | ド# | レ | ミ#(ファ) |
ソ | ソ | ラ | シ♭ | ド | レ | ミ♭ | ファ# |
ソ# | ソ# | ラ# | シ | ド# | レ# | ミ | ファ##(ソ) |
ラ | ラ | シ | ド | レ | ミ | ファ | ソ# |
ラ# | ラ# | シ#(ド) | ド# | レ# | ミ#(ファ) | ファ# | ソ##(ラ) |
シ | シ | ド# | レ | ミ | ファ# | ソ | ラ# |
ハーモニックマイナースケールの覚え方3つ!
配列もややこしいハーモニックマイナースケールを、1から暗記するのはとても大変です。
そこでハーモニックマイナースケールが身に付きやすい覚え方のコツを3つご紹介します。
①耳で響きを覚える
他にはない独特の癖のある響きをもつハーモニックマイナースケールだからこそ、繰り返し聴いて響きで覚える方法です。
理論で考えるよりも早く覚えることができ、耳が慣れてしまえば、違う音を聞いた時に違和感を覚えるように。
楽譜を読むのが苦手な方にもおすすめの方法です。
②メジャースケールから派生させて覚える
メジャースケールは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」です。ハーモニックマイナースケールがメジャースケールと違う音は3・6番目の2つの音のみ!
メジャースケールとの違いを活かしてハーモニックマイナースケールを覚える方法もおすすめです。
メジャースケールの3番目と6番目の音を半音下げればハーモニックマイナースケールという知識があれば、簡単に覚えることができます。
③ポジションで覚える
ギターでハーモニックマイナースケールを覚えるには、位置を覚えておくことをおすすめします。
メジャースケールで押さえる位置から、3・6番目の音を半音下げた位置です。
ハーモニックマイナースケールに限らずスケールを覚える時には、この方法で覚えていくととても効率的に。
ポジションを覚えたら、ランダムに演奏してみることもおすすめです。
ハーモニックマイナースケールの活用法
次にハーモニックマイナースケールの使い方についてご紹介していきます。
①コードへの活用
ハーモニックマイナーコードはマイナーコードとして使用されます。
メロディックマイナーコードと比べて使用頻度は少ないです。ただ、使いこなせると古典クラシックのような響きを演出できるように!
②ダイアトニックコード
ダイアトニックコードとは、スケールにある音を組み合わせてできるコード(和音)のことを言います。
その組み合わせは「ド・ミ・ソ」や「ド・ミ・ソ・シ」のように1つ飛ばしの音という規則です。
メジャースケール「ドレミファソラシド」のダイアトニックコードは、上記です。
「ド」の伴奏に「ドミソ」というコード(和音)が合うといった考え方で、演奏や作曲、編曲などに応用できます。
③3つのマイナーダイアトニックコードの比較
3種類のマイナースケールのダイアトニックコードは下記の画像の通りです。
それぞれのコードが分かる画像のみでご紹介させていただきます。
ナチュラルマイナースケール
ハーモニックマイナースケール
メロディックマイナースケール
ハーモニックマイナースケールを使った代表曲
一般的にあまりなじみのないハーモニックマイナースケール。知識として知らなくても、ハーモニックマイナースケールを使った人気楽曲はたくさんリリースされています。
次に、ハーモニックマイナースケールを取り入れた有名曲を、世界的に有名な名曲や日本人なら聞いたことのある人気曲などからご紹介します。
①Yesterday/The Beatles
引用元:The Beatles公式YouTube
「世界で最も多くカバーされた曲」としてギネス認定もされた、世界中で愛される名曲がThe BeatlesのYesterdayです。
1965年にリリースされたアコースティックバラードで、ポールマッカートニーさんが癌で死去した母への想いを歌にした楽曲。
ハーモニックマイナースケールのよさが活きた哀愁漂う曲です。
②サウダージ/ポルノグラフィティ
引用元:ポルノグラフィティ公式YouTube
2000年にリリースされ、初のミリオンセラーを記録したポルノグラフィティの代表曲の1つ。
女性目線の切ない恋心を描いた作品です。サビの部分にハーモニックマイナースケール特有の響きが使われています。
ギターを上達させたいならスクールや教本がおすすめ
ハーモニックマイナースケールやコードについて理解を深めたところで、ギターやピアノ、楽器に興味をもったなら、オンラインで学べるスクールや自宅でできるギター教本の利用もおすすめです。
ギターや楽器に興味をもった人向けに、スクールと教本について2つご紹介します。
シアーミュージック【スクール】
初心者からプロを目指してギターを上達したい人まで、習得したいことをじっくり学ぶことができる教室がシアーミュージックです。
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ハーモニックマイナースケールまとめ
ハーモニックマイナースケールを知っておくと、ギター演奏や作曲などに役立つことはまちがいありません。
ちょっと難しい理論ながら、一度身に着くと確実に即興演奏や作曲・編曲力などのレベルアップにつなげることができます。
- 暗い響きをもつ3種類の「マイナースケール」のうちの1つ
- 起点の音から「全・半・全・全・全と半・半」の規則性をもって並んだ7音の音階のこと
- マイナースケールの中でも哀愁漂う独特な響きをもつ
- マイナーコードとして活用される
- 覚え方は、響きで覚える、規則性から派生させて考える等
ぜひ、ギターやピアノなどの楽器演奏や作曲のレベルアップの参考にしてください!