バイオリンと言えば、オーケストラにおける主役の楽器で、習いごととしても人気の楽器ですよね。
この記事では、バイオリンの音域や音色の特徴、きれいな音色を出すコツや、初心者にもおすすめの練習曲などについて紹介していきます。
Contents
弦楽器の音域を比較!
バイオリンは、弦楽器の中で最もサイズが小さく、高い音域を演奏します。具体的に音域はどのくらいの範囲なのか、コントラバス、チェロ、ヴィオラと比較していきます。
最低音 | 最高音 | 範囲 | |
バイオリン | G2 | E6 | 45 |
ヴィオラ | C2 | C5 | 36 |
チェロ | C1 | G4 | 43 |
コントラバス | E0 | C3 | 36 |
①バイオリン
弦楽器の中で最も高いバイオリンの音域は、G2~E6で、範囲は3オクターブと6度と非常に広いです。本体の長さが約60cmと最も小さい為、隣の音との弦を押さえる間隔が狭く、中音から高音まで演奏することができます。
音色は、高音域が特に華やかで、繊細な音から力強い音まで幅広い表現が可能です。
②ヴィオラ
バイオリンの次に高いヴィオラの音域は、C2~C5で、範囲は3オクターブです。遠目ではバイオリンに似ていますが、本体は約70㎝と一回り大きく、中低音~高音まで演奏することができます。
音色は柔らかく、特に中音域が豊かです。
チェロ
チェロの音域は、C1~G4で、範囲は3オクターブと5度と非常に広いです。本体は約120㎝で、肩に担がないため、弦を広範囲で押さえることができ、低音から高音まで演奏することができます。その為、ベースから主役の旋律までこなす万能の楽器です。
音色は、優雅で力強く、憂いのある高音も魅力的です。
コントラバス
コントラバスの音域は、E0~C3で、範囲は2オクターブと6度と弦楽器の中では狭いです。本体が約180㎝の大型の楽器で、立って演奏をします。主にベースを担当し、全体を支える役割を果たします。
音色は太く、重厚感があります。
バイオリンの構造と発音の仕組み
楽器の構造と仕組みを知ることで、楽器の扱いも上手になります。美しいバイオリンの音色を生み出す構造と仕組みについて、述べていきます。
バイオリンの構造
バイオリンは、中が空洞の木でできたひょうたん型の本体に、弦を張った弦楽器です。
本体の表板は主にマツ科の木材で、裏板・側板・ネックは主にカエデ科の木材が使用されています。この木材の産地や木目、職人により音色や値段が大きく違ってきます。
弦は4本あり、ペグを回して、低い方から「G」「D」「A」「E」とチューニングします。
弦の素材は、スチール弦・ガット弦・ナイロン弦の3種類があり、耐久性や音色に違いがあります。
中央の駒は弦を支え、振動を本体へ共鳴をさせる役割をもちます。
弓は、強度に優れた木材でできた”棹”に、馬のしっぽの毛を150~200本ほどを束にした”弓毛”を張ってあります。弓毛は室内の温度や湿度に応じて、ネジで張り具合を調節します。
バイオリンの弦や弓毛は消耗品なので、定期的に張り替える必要があります。
バイオリンの発音の仕組み
ギターと似ていますが、バイオリンは主に弓を使って演奏します。弓で弦を擦ることで、弓毛ついている松脂が弦に引っかかり、摩擦で振動が作られます。
その振動は、駒によって通して本体に共鳴し、駒の両脇に開いた「f字孔(エフじこう)」と呼ばれる2つの穴から出て、聴く人の耳に届きます。
同じ弦楽器でも、ギターとは違い、弓を使って演奏するので擦弦(さつげん)楽器とも呼ばれます。
また、ギターと同じように、指で弦を弾いて演奏する方法もあります。この方法は、「ピッチカート(ピチカート)奏法」と呼ばれ、短く弾むような音を出すことができます。
バイオリンの得意なフレーズ
バイオリンに限らず、弦楽器はスケールやリズムの速いフレーズ、同音連打、表現豊かに歌うようなビブラート、トリルのような細かい装飾音もこなす万能の楽器です。
その中でも、バイオリンは特にサイズの小ささから小回りが利き、叙情的な旋律も、音の跳躍が激しいフレーズも、卒なくこなすことができます。
バイオリンの苦手なフレーズ
バイオリンにとって、弦をおさえるポジションの移動が激しい旋律や、弦の移動を伴う旋律、高速に弓を動かす技能が求められる旋律は、難易度が高いです。
バイオリンの音域別、音色の特徴!
幅広い音域が出せるバイオリンですが、音域によって弦が異なるため、音色がそれぞれ違います。その特徴を見ていきましょう。
①高音域(E線)
演奏者側から1番遠くに位置する弦は、「E(エー)線」や「第Ⅰ線」と呼ばれる細い弦で、高音域を担当します。
外側に位置するので、弓の運動の制限が少なく、運動量の多いフレーズも演奏しやすく、幅広い表現が可能です。
音色は華やかで、クリアさや艶やかさもある豊かな響きがします。
②中音域(A線・D線)
真ん中に位置する2本は、「A(アー)線」や「第Ⅱ線」、「D(デー)線」や「第Ⅲ線」と呼ばれる中くらいの太さの弦で、中~高音域を担当します。
内側に位置する2本であるので、外側にある弦に比べると弓の運動に少し制約があります。
音色は、温かくて柔らかく、落ち着いた響きがします。
③低音域(G線)
最も演奏者に近い弦は、「G(ゲー)線」や「第Ⅳ線」と呼ばれる太い弦で、低~中音域を担当します。
音色は太く、力強い豊かな響きをもちます。
きれいな音色を出すために欠かせないこと!
ここからは実践編です。きれいな音色を出すために欠かせない楽器のお手入れやメンテナンス、姿勢や構え方のコツをご紹介します。
基礎的で重要なことばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
①楽器のお手入れ
日常のお手入れ
【本体の手入れ】
演奏後すぐに、専用のクロスやガーゼで乾拭きし、楽器に付着した松脂や手垢、汗を拭きとりましょう。松脂は放置すると固まり落としにくくなりますので、放置しないようにしましょう。
また強く擦るとニスが剥げるので、軽く拭き取ります。クロスは、松脂用と汗ふき用に分けて2枚用意しておくことをおすすめします。
【弓の手入れ】
弓は、棹だけを拭きます。弓毛は必ず緩めてからケースにしまいましょう。
弓毛を張ったままにしておくと棹の反りが損なわれ、演奏しづらくなるので気をつけましょう。
定期的なメンテナンス
バイオリンの弦は消耗品です。弦が古くなると音色も落ちるので、少なくとも半年に1回程度は弦を交換するのがおすすめです。
弓毛も消耗品です。定期的に毛替えをしましょう。演奏の頻度にもよりますが、一般的には半年から1年に1回程度必要になるとされています。
弦の張り方が分からない場合や、技術が必要な毛替えは、楽器店に依頼しましょう。
バイオリンの保管
バイオリンは、直射日光や高音多湿、乾燥に弱い楽器です。高温で接着剤が溶けたり、湿気で板の厚みが変化したり、乾燥で指板が外れたりすることがあります。
演奏後は必ずケースに入れ、できるだけ高音を避け、湿度が安定したところに置くようにしましょう。
②姿勢
姿勢のポイントは以下の通りです。一つずつ確認しましょう。
- 胸を張り、背筋をしっかり伸ばします。
- 足は肩幅に開き、左足を斜め45度外側に出します。
- 楽器の向きは、左足と同じ方向の斜め45度にします。
- 体は正面、顔は左を向きます。
- バイオリンは肩の側面ではなく上に置き、下がらないようにします。
- 頭の重みを使って、肩と左あごでバイオリンをはさみ、固定します。
- 脇を締めたり、腰・肘・首・手首が不自然に曲がったりせず、リラックスした状態にします。
③持ち方
ネックを持つ左手と、弓を持つ右手のポイントは、以下の通りです。
- 親指の腹と、人差し指の付け根で支えます。
- 手の平の中に空間をつくり、手首が外側に曲がらないようにします。
- 弦は指の腹で上から落とすように押さえます。
- 基本的に中指・薬指・親指の3本の指を中心に支えます。(きつねのような形)
- 親指の第1関節を軽く曲げ、中指の第1関節の近くに寄せるように手の形を作ります。
- 親指と弓の角度が90度になるようにします。
- どの指もまっすぐ突っ張らないようにし、3本の指の腹を使ってつまむように持ちます。
初心者でもできるおすすめの練習法!
楽器を早く上達したい方に向けて、おすすめの練習法を4つご紹介します。
これらのポイントを押さえて練習を積み重ねることで演奏力が格段に向上していきます。ぜひ試してみてください。
①鏡を見て練習する
演奏をしたり、楽譜を見ているとバイオリンが下がって姿勢が悪くなりがちです。
鏡の前で練習するだけで、姿勢がよくなり、バイオリンの演奏に必要な筋肉も鍛えられます。
姿勢のよさをキープするだけで、演奏も楽になるので、必然と音色もよくなります。
初心者でもできる効果抜群の方法なので、ぜひ習慣にしてみましょう。
②ロングトーンで音階練習
ロングトーンとは、音を一定にまっすぐ伸ばすことです。
弓の端から端まで、同じ音量・音質・速度・角度であることを意識して伸ばします。
始めはテンポ60の速さで4拍間伸ばし、音もだんだん高くしていきましょう。
「ロングトーンを制する者は、全ての弓使いを制する」と言われるほど、演奏の土台となる技術です。
毎回ウォーミングアップとして必ず行い、弓使いの基礎を積み重ねていきましょう。
③正しい音程をたくさん聴く
バイオリンは、指で弦を押さえて音程をつくるので、正しい音感が必要です。良い演奏をたくさん聴くことで、正しい音程を脳に記憶させ、音感をアップすることができます。
またチューナーで自分の音を確認しながら練習する方法も一つの手です。
音感を鍛える方法は他にもありますので、興味のある方はこちらの記事を参考にしてください。
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④スクールに通う
最も簡単で確実に技術を身に付ける方法は、スクールに通うことです。
プロの講師に見てもらうことで、自分の実態に合った練習法を提案してもらうことができます。
最短でバイオリンを上達したい方は、ぜひ検討してみましょう。
初心者にもおすすめのクラシック名曲3選!
演奏してみたい憧れのバイオリンの名曲はたくさんありますよね。その中でも比較的難易度が低く、聴きごたえのあるクラシックの名曲をご紹介します。
①カノン/ヨハン・パッヘルベル
出典元: 0Bach0 YouTube
1653年~1703年に活躍したパッヘルベルの名作で、同じコード進行の中で変化していく美しい旋律と、その旋律が3つ追いかけっこのように重なるハーモニーが見事な名曲です。
後半になるほど、難易度が高いですが、初めはゆったりとした旋律でおすすめです。初心者は始めの部分のみだけを、きれいな音色で演奏してみましょう。
中級~上級者は、その後の旋律にもチャレンジすることでレベルアップも図れる曲です。
①G線上のアリア/J.S.バッハ
出典元:naturalfarm YouTube
バッハが作曲した「管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068」の第2曲「エール」を、バイオリニストのヴィルヘルミがバイオリン独奏用に編曲したものです。「G線上のアリア」は通称名で、G線のみで演奏できることに由来しています。
祈りを捧げるように流れる美しい音色やハーモニーが響き渡る感動的な名曲です。
こちらもゆったりとしたテンポで難易度が比較的低めなので、初心者にもおすすめです。
③愛の挨拶/エドワード・エルガー
出典元: Flower201110 Youtube
エルガーの中でも「威風堂々」に並ぶ有名な作品の1つで、後に妻となる婚約相手のアリスへ送った曲です。明るく包み込むような優しい旋律が印象的な名曲です。
上の2曲と比べると少し難易度が上がりますが、落ち着いたテンポで、演奏しがいのある美しい曲です。
最短で上達したい方はスクールが1番!おすすめの音楽教室をご紹介!
バイオリンを最短で上達したい場合には、音楽教室に通うことが1番です。数多く存在する音楽教室の中から、特におすすめのスクールを2つ紹介します。
①椿音楽教室
弦楽器や管楽器やピアノ、声楽など受講できるコースが充実しています。プロ講師によるマンツーマンレッスンで、基礎から応用まできめ細かく指導してくれます。
入会金 | なし |
レッスン料金 | 5,500円(60分) |
対象レベル | 初心者/趣味/プロ |
音楽ジャンル | クラシック・ポップ・ラテン・ジャズ等 |
オンライン対応 | ○ |
無料体験 | ○ |
住所 | 東京都新宿区西新宿1丁目3−14 新宿プラザ |
②シアーミュージック
初心者からプロ、子供から大人まで1人1人に応じたレッスンが受けられます。丁寧なマンツーマンレッスンで、初めてでも安心して通えます。
入会金 | 2,200円 |
レッスン料金 | 5,500円 (45分) |
対象レベル | 初心者/趣味/プロ |
音楽ジャンル | クラシック・JPOP等 |
オンライン対応 | ✖ |
無料体験 | ○ |
住所 | 東京都中央区八重洲1-4-20 MTエステートビル6F |
バイオリンの音域まとめ
バイオリンの音域の特徴や、きれいな音色を出すためのコツ、おすすめの練習曲や音楽教室について紹介してきました。
バイオリンをこれから始める方も、すでに経験している方も、ぜひこの記事を参考に、ご自身の演奏力アップを目指してみてください!