自己PRはオーディションや書類審査において、自分の魅力や経歴を存分に伝えられる項目です。
学生時代の部活動やボランティアなど、大きな業績を残してきた人はすぐにまとめられるでしょう。
自分の強みが分からない人は自己分析をおこない、自分の強みを活かした場面を具体的に伝える力が必要です。
本記事ではオーディションにおける自己PR文章の作り方や、完成後のチェックポイントについてご紹介します。
書き方が分からない人のために例文もご紹介するので、そちらも参考にして自分の魅力が伝わる自己PR文章を作成しましょう。
- 書類審査とオーディションにおける自己PRのポイント
- 確実に合格につなげるためのチェックリスト
- オーディションで使える自己PRの例文
- 自己PRで面接官は何を審査するのか
Contents
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そもそも自己PRとは?
自己PRとは自分の長所や経歴などを業界にアピールし、自分がその業界でどんな戦力になるかを誇示して売り込むことです。
自分の人柄を相手に知ってもらうことが重要で、内面的な価値が評価に大きく関わってきます。
自己PRには履歴書でのアピールと面接でのアピールの2種類があり、自分の魅力やその業界で役立つスキルを存分にアピールすることが大切です。
自分の得意分野とその業界の方針がマッチすることが絶対条件で、事務所のオーディションで採用されるには客観的に自己分析ができることがポイントとなります。
自己PRは30秒から60秒がベスト
引用元:YouTube
自己PRを述べる際は30~60秒の間を目安に、自分の長所と長所を活かして成功した例を発表することを心がけましょう。
たとえば自分の長所が探求心の強さである場合、探求心の強さを活かしたことで周りに評価されたエピソードを述べる必要があります。
その業界で活かせる特技がある人は、60秒以内に披露するのもおすすめです。
自己PRを上手く伝えられなくても、特技が評価されればポイントを加点してくれることがあります。
オーディションの自己PRで審査員が注目している3つポイント
オーディションで審査員が見ているポイントは、主に以下の3つが挙げられます。
- その業界で十分に活躍していけるかどうか
- 書類の内容とオーディションで話した内容が一致しているかどうか
- 単に自分の人物像を知りたい
この3つを押さえた自己PRの内容を用意しておかなければいけません。
ただしその事務所の審査員がどこまで見ているかを知ることも大切で、求めていないことまでPRしてしまった場合はマイナスポイントになってしまいます。
ここからは審査員にPRすべき最低限のポイントをご紹介するので、何を発表すればいいか分からない人は参考にしてみてください。
①その業界で十分に活躍していけるかどうか
オーディションを開く主な目的は、自分がその業界で活躍していける能力があるかどうかを知ることです。
たとえばドラマやバラエティを事業とする芸能事務所は、チャレンジ精神の強さを評価する傾向にあります。
どの業界でもコミュニケーション能力は欠かさない要素で、変に飾らずに言葉のキャッチボールができるかどうかが評価につながりやすいです。
成功のカギはその業界と自分の方向性が合致するかどうかなので、自分がその業界で戦力になるかどうかを伝えましょう。
②書類の内容とオーディションで話した内容が一致しているかどうか
ほとんどの人が自己PRで実力以上の内容を話してしまいがちですが、履歴書とオーディションで話す内容は合致していなければいけません。
自己PRに嘘を書いてしまうとどこかでバレるリスクがあるので、何を聞かれても必ず答えられる自己PRを考えておくことが大切です。
もし履歴書に書いておらずオーディションの際に思い出した内容があれば、オーディションの際に「履歴書に書いていませんでしたが」と伝えましょう。
③単に自分の人物像を知りたい
オーディションは自分の人柄をアピールする場所でもあるので、単に自分の特技や経歴だけでなく普段の自分はどんな人物かを伝えることも大切です。
自分の人柄を伝えるには自分について詳しく理解している必要があるので、オーディションを受けるにあたって自己分析は欠かさないようにしてください。
自分が活躍したい業界の先輩たちの特徴を分析し、どのような人が求められやすいかを考える必要があります。
自分の個性が発揮できなければもったいないので、自分の強みと希望の業界が目指す方向性を詳しく研究しましょう。
オーディションの自己PRの6つのポイント【書類審査編】
自己PRは自分の長所や経歴を希望の業界に売り込む手段で、自分がどんな人であるかを審査員にしっかりと伝える必要があります。
周りの人と同じような内容をアピールしても印象に残らないので、自分らしさが上手く伝わる文章をまとめることがコツです。
ここからは、書類審査における自己PRのコツをご紹介します。
経歴や特技はなくても伝え方で印象に残せることがあるので、自分の個性を上手くアピールするためにも参考にしてみてください。
①結論から書く
履歴書の最初はアピールポイントを記入した後に経歴を説明したほうが、審査員側も興味を持って履歴書を読んでもらえます。
「私は小学生からずっとボイストレーニングに通っています」や、「私は歌が得意です」などのアピールポイントは先に記入するようにしてください。
それから現在に至るまで何をしてきたか、どんな能力を培うことができたかを書くかが大切です。
たとえば「私は10歳からボイストレーニングを習っており、現在は作詞・作曲ができるレベルになりました」のように経歴を詳しく書くと読みやすい文章が完成します。
②経験から得られた成果と課題を書く
履歴書の自己PRには、自分の得意分野を磨くための課題と成果を書くことが大切です。
課題を述べる際は、「最初は楽譜の読み方さえ分からず、歌も上手く歌えませんでした。そこで音感を身に付けるトレーニングと楽譜を読むトレーニングをおこないました」とのように、何を努力したかを書くようにしましょう。
その成果として「歌う際に音程がしっかり取れるようになり、現在は自分で作詞・作曲をしてYouTubeでオリジナル曲を配信しています」とのように、現在はどこまでのレベルに達したかを書きます。
自分が試行錯誤を重ねてどんな結果を得たかを伝えることが重要なので、これまでの人生で努力したことや学んだこと存分にアピールしましょう。
③将来の夢や目標を明確に書く
自己分析やこれまでの経験を踏まえた上で、これから自分がどう成長していきたいかを書き残すようにしましょう。
たとえば「今から2年までに武道館に立ち、40万人を会場に導入する」とのように、数字を活用して目標を伝えることで具体的なイメージが伝わりやすくなります。
目標に向かって前向きに努力していくことと、それにともなって心身ともに健康であることをアピールしましょう。
④自己紹介と自己PRは別物と考える
簡潔に説明すると自己紹介はコミュニケーションの手段で、自己PRは自分を希望の業界に売り込むための手段です。
まず自己紹介ではこれから仲を深めるための相手に対し、自分の氏名や出身地などのプロフィールを提供します。
自分がどんな人間なのかを誇示することで、相手に興味を持ってもらうことが自己紹介の本質です。
オーディションにおいても自己紹介は、自分と審査員がコミュニケーションを取るためのきっかけになります。
続いて自己PRは希望の業界に自分を売り込む手段で、自分の強みを業界相手にどう活かすかを伝えることが大切です。
ほとんどの事務所が自分が合格した後に活躍できる人物かを見定めているので、自分の強みと業界が必要としている人物像を上手く関連付ける必要があります。
⑤特技や趣味は絞る
自己PRで特技や趣味を伝える際は、最も得意なこと1つに絞ってその内容を掘り下げるのが有効です。
特技や趣味を多く書きすぎてしまうと、アピールポイントが分かりにくい上に文章が長くなってしまいます。
自分が何でもできることをアピールするのではなく、最もアピールしたいことに絞ってシンプルに伝えることが大切です。
たとえば自分は歌が得意である場合は「歌が得意です」だけでなく、「歌真似のレパートリーが50種類あります」とのように具体的に伝えるようにしましょう。
⑥読みやすい文章を心がける
履歴書における自己PRは自分だけが理解できる書き方でなく、自分を知らない人もどんな人物像かを文章だけで理解できる書き方が重要です。
まずは結論として自分の強みや経歴を先に書き、それを活かして得たことや成功したことを書くと自分の魅力が伝わりやすくなります。
ほかにも履歴書は字が読みにくいだけでしっかり読んでもらえないことがあるので、丁寧で読みやすい字で書くことを心がけましょう。
オーディションにおける自己PRのポイント4つ
オーディションにおける自己PRは、自分の個性や強みを前面に出すことで審査員の目に留まらせることが目的です。
自己PRのやり方が分からないからとテンプレートに沿いすぎても、内容が薄すぎて審査員の印象に残りにくくなってしまいます。
ここからはオーディションでの自己PRで大切なことをご紹介するので、審査員に自分を印象付けるために参考にしてみてください。
①意外な一面とインパクト
オーディションで自己PRを発表する際は、履歴書からは想像できなかったような意外性とインパクトを与えることが大切です。
周りが持っていないような経歴や特技がある場合は、オーディションの際に披露して審査員の目に留まらせるようにしましょう。
外見からは想像できない特技があると印象に残しやすく、たとえば体育会系の男性がスイーツ作りや裁縫が得意だとアピールすればインパクトを与えられます。
②アピールポイントは1つにする
自己PRで特技や趣味について多く語る人がたまにいますが、アピールポイントはなるべく1つに絞って深堀りしていくほうが印象がいいです。
1つの内容を深堀することでアピール力が高まり、さらにどこまで極められているかをアピールすることで審査員に意識してもらいやすくなります。
これまで経験してきたことを考え直し、最も成果を残したことをアピールするのが手っ取り早いです。
周りの人と同じ内容にならないことを意識するより、審査員に興味を持ってもらえる伝え方に重点を置きましょう。
③自分にしかできない特技
自己PRでは自分にしかない特技をアピールすることが大切で、伝え方1つを取っても印象がガラッと変わります。
たとえば歌が得意であることを伝える場合は、「目の前に落ち込んでいる人がいたとしたら、私の歌を聴くだけで一気に元気を取り戻せます」とのような感じでインパクトを与えることが大切です。
ほかにも読書が趣味の人を例にすると、「私は読書が趣味です。毎月20冊以上の本を必ず読破しており、それを現段階では3年連続で続けました」と伝えるとインパクトを残しやすくなります。
自己PRでの特技は伝え方を工夫するだけで特別感を演出できるので、興味を持ってほしい場合はぜひ伝え方を意識してみましょう。
④自分という人物像が分かるようなエピソードを使う
自己PRで自分の経歴を話す際は、自分であることが分かるような内容を発表するようにしましょう。
とくに資格の話題は話題に出しやすい場合がほとんどで、その資格を取得するまでにどんな努力をおこなったかや期間などを話すと評価につながりやすいです。
趣味や特技でなく周りが持っていないような資格について発表すれば、自分の個性を見出されて周りと差を付けることができます。
趣味や特技に関連がある資格を持っている場合は、その資格がどんな場面で活かされているかを発表しても問題ありません。
オーディションで使える自己PRの例文
履歴書で目に留まりやすい自己PR文を書く際は、しっかりとポイントを押さえて読みやすい文章を書くように心がけましょう。
しかし自己PRで気を付けるべきポイントは理解していても、どのように文章をまとめればいいか分からないという人は実際に多いです。
ここからは自己PR文の例文を2通りご紹介するので、書き方が分からない人は後述する内容を参考にしてみてください。
性格や経歴を伝える例文
私は1度興味持ったことに対して探求心が強くなり、趣味や好きなことにおいてはどんなに大変でも深く追求する性格です。
その一例として私は学生の頃からスマートフォンに強い関心があり、大学のAO入試でスマートフォンの将来性について実際にプレゼンをおこなったことがあります。
AO入試に向けての準備として、私はスマートフォンの内部構造や歴史、AndroidとiPhoneの相違点などを調べて資料を作成しました。
その際のプレゼンで受験先の大学の先生方から「非常によく調べられて分かりやすかった」と高い評価を得たことから、私は探求心の強さが自分の強みであると確信しています。
趣味や特技を伝える例文
私は料理がとても得意で、とくに野菜を用いた料理には自信があります。
食材が足りない場合はほかの材料で代用し、自分なりのアレンジを施すことも多いです。
しかし野菜だけでは栄養が偏ってしまうので、豆腐や鶏胸肉なども一緒に料理に使うこともあります。
食材選びにおいてもスーパーで割引になっているものを購入し、節約に気を遣うようにしている場合がほとんどです。
最近は配信アプリで料理系の配信をするという目標ができたので、節約で浮いたお金で配信用の機材を購入することを検討しています。
オーディションの自己PRで合格するまでのチェックリスト7つ
自己PRの文章が完成したら、伝えたいことがしっかりとまとめられているかどうかを確認するのが大切です。
自己PRは文章が長くなったり時間がかかりすぎたりしてはいけませんが、一方で具体性に欠けて短くなりすぎてしまっても正当に評価されません。
自分の魅力を具体的に伝えることが大切ですが、誇大表現や嘘の内容は出さないようにしましょう。
ほかにも自己PRのチェックポイントは多くあるので、自分の伝えたいことがしっかりまとめられているかを確かめてみてください。
①ネガティブな表現を使わない
自己PRでネガティブな話題を出してしまうと、個性を発表したつもりでも短所としてとらえられる場合がほとんどです。
ネガティブな内容をポジティブに言い換えることで、審査員側からの印象がよくなります。
たとえば自分に自信が持てない人は、「これまで自信を持てなかった自分が努力して輝くことで、多くの人に希望を与えられるような人物になりたいです」と伝えましょう。
ネガティブな経験が多い人は、「これまでの経験でピンチをチャンスに変えてきたことがたくさんありました」と伝えると印象がよくなります。
自己PRで取り上げる話題はポジティブな内容を心がけ、自分の長所や個性をアピールすることを意識しましょう。
②嘘や誇張した表現は避ける
自己PRでは自分の個性や強みを伝えることが大切ですが、実力以上のことや嘘を話さないように気を付けてください。
全く経験したことがない内容をオーディションでアピールすると、審査員から質問された時に上手く返答できなかったり矛盾が生じたりなどのリスクが発生します。
そのPRが嘘だとバレてしまったら悪い印象を与えてしまうので、自分の特技や趣味について上手く伝えられるように工夫をしましょう。
③「○○的」や「○○性」のような抽象的な表現を多用しない
自己PRの際に「協調性」や「積極的」などの言葉を多用する人がいますが、審査員によって認識の仕方が異なるので伝え方を工夫するようにしましょう。
たとえば積極的であることをアピールする際は、「自分から積極的にボランティアに参加することが多くありました」と伝えるのが無難です。
協調性があることをアピールする際は、「国内だけでなく留学先の国でも友人がたくさんいます」と伝えるとコミュニケーション能力の高さを上手く伝えられます。
上述したようにエピソードを交え、具体的に自分の強みを伝えることをアピールしましょう。
④例え話を安直にしすぎない
例え話が自分にとっては面白い表現だったとしても、審査員相手だとスベってしまう可能性があります。
例え話をする際は自分にしかできない表現で伝えることが大切で、ありきたりな伝え方にならないようにするのがポイントです。
たとえば協調性の強さを伝える場合は、「白米のようにどんなタイプの人にも合わせられます」と伝えましょう。
納豆のように粘り強いことを伝えたい時は、「私は納豆のように粘り強いことから『ねば~る君』と呼ばれることが多いです」と伝えると分かりやすいです。
⑤自己PRに出す話題には主体性を出す
自己PRで話す内容には主体性を出し、自分がこれまでどんな努力をしてきたのかを伝えることを意識しましょう。
たとえば部活動のことを話題に出す際は、「合唱部で部長を勤めていました」と伝えると自分が何をしてきたかが審査員に伝わりやすいです。
ほかにも「部活動で部員を増やすためにさまざまな活動をしてきました」と伝えると、自分の役割や実績が伝わりやすくなります。
⑥結果より過程のアピールを意識する
自己PRで過去の実績をアピールする場合は、どんな過程を経て結果に結び付いたかを上手く伝えましょう。
たとえば部活動で県大会に優勝したことを伝える際には、「高校3年間バドミントン部でしたが、1日も休まずに練習に励んだ結果、県大会で優勝できました」と伝えると努力が上手く伝わります。
ほかにも「海外で活躍することを夢見ており、独学で英検の準1級を取得しました」と伝えるのも有効です。
自分が望む結果を得るために、どんな努力や行動をしてきたかを主に伝えましょう。
⑦構成通りに伝えたい内容がまとめられている
自己PRの文章ができたら実際に発表することを想定し、全部で何秒かかったかを記録しておきましょう。
時間は長くなっても60秒までを目標とし、60秒以上かかったら内容を削るかもう少し早口で話すかを心がけると時間内に収まります。
自己PRは最低でも30秒は必要なので、上手くまとめられても端的になりすぎないように心がけましょう。
主張→根拠→具体例の順番でまとめられている
自己PRを発表する際は、主張→根拠→具体例の順番で伝えることを意識しましょう。
まず主張においては、自分の得意分野や周りにはない強みなどのアピールポイントを端的に話します。
続いて根拠を伝える際は、「その能力を発揮できたのは部活動に励んでいた時です」とのようにアピールポイントの根拠を伝えましょう。
最後は根拠の部分で話したことを具体例を用いて詳しく話し、自分の能力を活かしたことで周りにどう貢献できたかを話すのが大切です。
その業界での将来性がハッキリしている
オーディションで採用されやすい人材は、その業界での将来性がハッキリと決まっていることが多いです。
自己PRではその業界に興味があるだけでなく、そこでどう活躍してどんな業績を残したいかをしっかりと伝えましょう。
オーディションの自己PRは自分の魅力を伝えるチャンスです
自己PRでは限られた時間の中で、自分が何を伝えたいかをしっかりと絞って簡潔に伝えることが大切です。
自己PRを上手くまとめるには自己分析をおこなうだけでなく、話し方や表情も意識するようにしましょう。
大事な部分はゆっくり話すようにし、今後の目標を語る際は謙虚さを交えると真剣度が伝わりやすくなります。
1つ1つの細かい配慮が合格後の活躍で大事になってくるので、自己PRの文章ができたら準備を整えて本番でしっかりとパフォーマンスができるようになりましょう。