YouTubeやニコニコ動画で100万回以上再生されるなど、ボカロ曲は現在でも高い人気を博しています。
ボカロ曲の生みの親であるボカロPは動画を投稿するだけでなく、有名になると楽曲提供の仕事で収入を得ることも可能です。
ヒット曲を多く作っているボカロPの収入について「どれくらい稼げているの?」「一体何から収入を得ているのかな?」といった疑問があることでしょう。
今回は、ボカロPの収入や収入源について解説します。
- ボカロPの収入・収入源
- ボカロPになる方法と成功するコツ
- 高収入のボカロP
Contents
ボカロPの収入は人気で決まる
ボカロPは会社に所属せず個人で活動していることが多いため、人気やスキルによって収入が大きく変わります。
代表的な収入源であるYouTubeの広告単価はチャンネルごとに異なり、ボカロメインのチャンネルであれば1再生あたり約0.1円です。
たとえば、100万回再生されたとすると10万円、1000万回再生で100万円もらえる計算となります。一方で再生回数が100回であれば、わずか10円しか収入が発生しません。
このように曲の人気に収入が左右されるため、ボカロPになったとしても確実にこれくらいもらえるという保証はないのです。
ボカロPを本業として活動できる人は少数派です。本業ボカロPを目指すなら、歌い手や歌手VTuberとして人気になって知名度を上げる必要があります。
ボカロPの収入源5つ
本業ボカロPも副業ボカロPも、曲を作ることでお金を稼いでいます。具体的にどのような方法で収入を得ているのかを確かめてみましょう。
①YouTubeの広告収入
YouTubeでは自分が投稿した動画の再生回数によって、1再生あたり約0.1円の広告収入が得られます。ただし、YouTubeで収益化するためには以下の条件をクリアしなければなりません。
- チャンネルの登録者数が1,000人以上
- 直近12か月の動画総再生時間が4,000時間以上、または、直近90日間のショート動画の視聴回数が1,000万回以上
- YouTubeのチャンネル収益化ポリシーを遵守している
- 18歳以上である(または代理の保護者がいる)
またYouTubeには「YouTubeコンテンツ収益化サービス」という機能があり、楽曲を登録することで他の人の動画で自分の曲が使われたときに収益が発生します。
たとえば、Chinozoさんの「グッバイ宣言」は1.1億回再生されており、多くの「歌ってみた」動画が投稿されている人気曲です。
歌い手のまふまふさんのカバーで1,200万回以上、ホロライブの百鬼あやめさんのカバーで2,400万回以上と「歌ってみた」動画も再生数を稼いでいます。
そのため、一度曲を作ってYouTubeに登録しておけば、自分が投稿しなくても人気次第でどんどん収入が入ってくることでしょう。
②ニコニコ動画の広告収入
ニコニコ動画には収益化の方法として「クリエイター奨励プログラム」という制度があり、収益化の条件に再生数などの難しい条件がありません。
月額550円のプレミアム会員に登録すれば、デビューしてすぐに収益化が可能です。
動画の再生回数だけでなく、視聴者からのギフトやクリエイタサポートといった月額サービスからの収益も発生します。
またニコニコ動画では、自分であげた動画を他の人が使った際に利用料がもらえる「子ども手当」という制度があるため、人気次第で他の人の動画が自動的に稼いでくれることでしょう。
③楽曲配信やカラオケの印税
サブスクでの楽曲配信やカラオケで歌われることによって印税が獲得できます。
自分で作ったボカロ曲を「TuneCore」というサービスを利用することで、各種サブスクへ自分の音楽を一括で配信可能です。
サブスクによって一再生あたりに支払われる印税は異なり、推定ですがSpotifyでは0.3円、LINE MUSICで0.7円、Apple Musicで1.1円と開きがあります。
カラオケの印税は1曲で2〜7円ほど発生し、仮に6円とした場合、作詞者へ3円、作曲者へ3円支払われます。
ボカロPであれば両方担当していることが多いため、1曲歌われることで6円入ってきます。月に1万回歌われれば、6万円となかなかの金額になることでしょう。
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④CD販売やグッズ販売
引用元:ニコニコ超会議2023公式サイト
CDを自主制作したり、オリジナルグッズを作って販売しているボカロPもいます。
ネットでCDやグッズを販売するだけでなく、コミケやニコニコ超会議といったイベントに参加して直接売ることも可能です。
人気が出る前ならCDは自主製作で販売。楽曲が評価されるとメジャーでCDをリリースする人もいます。
⑤曲作りの依頼料
引用元:Ado公式YouTubeチャンネル
ボカロPとして有名になってくると、曲作りの依頼を受けることがあります。依頼内容はアーティストへの楽曲提供や、アニメやゲーム音楽の制作依頼などさまざまです。
人気ボカロPのピノキオピーさんの場合、自分から作る曲が7割、提供する楽曲が3割の比率を占めています。
このように楽曲提供をすることで収入が得られるだけでなく、多くに人に自分の曲を聴いてもらえるメリットもありますよ。
ボカロPになる方法
ボカロ曲を作成できるスキルと必要な機材さえあれば、特別な資格などなくてもボカロPになれます。
必要なソフトや機材は以下のとおりです。
- パソコン
- DAW(楽曲制作ソフト)
- ボーカロイド音源
- オーディオインターフェイス
- MIDIキーボード
- モニターヘッドホン
- モニタースピーカー
- マイク
機材は一通り揃っていた方がいいですが、パソコンとDAW、ボーカロイド音源があれば、ボカロ曲を作成できます。
またDAWやボーカロイド音源も無料ソフトがあるため、パソコンを持っていればお金をかけずにボカロ曲を作れることでしょう。
予算が少ない人は最低点必要なものを揃えてボカロ曲を作成し、その後機材を追加したり、有料のボーカロイド音源を購入したりしてみてください。
ボカロPで成功して収入を得る3つのコツ
ボカロPで収入を得るためには、人気にならなければなりません。ここで紹介する成功するコツを押さえて、稼げるように努力していきましょう。
①ヒットしているボカロ曲を分析する
自分が作りたい音楽をやることも大事ですが、人気となる確率を上げるには、どのような曲がヒットしているのかを分析することも必要です。
2〜3分以内の短めの曲であったり、転調を多めに入れたりなど流行っている曲には特徴があります。
曲のトレンドはあっという間に移り変わっていくため、情報を追いかけて売れるポイントを押さえていきましょう。
②独自性のあるサウンドを入れる
他の曲に埋もれないような自分らしい音作りをすることで、印象的な曲が作り上げられます。
ボカロPのかいりきベアさんは、元々ギタリストとして活動していました。曲作りにおいてもギターを使っており、ギターで鳴らした音を細かく繋いでいます。
人気曲の「ダーリンダンス」であれば2,000回分のギターの音を組み合わせて、中毒性のあるサウンドを作り上げています。
自分ならでは色を加えることで、この曲調といえばあのボカロPだと覚えてもらえることにもつながるでしょう。
③MVにこだわりを持つ
ボカロ曲をYouTubeやニコニコ動画に投稿するためには、曲だけでなくMVも必要となります。
MVをこだわり、曲の世界観をうまく表現できれば、再生数のアップにつながることでしょう。
自分でイラストを描いたり、MVを作成したりできる人は1人で仕上げてもいいですが、自信がない人は外注してみると安心です。
思い描いているイメージとあった絵や動画を作成できる人を探して依頼してみましょう。
高収入が予想される人気ボカロP3選
高収入を稼いでいるであろう人気のボカロPを3人紹介します。
①DECO*27(デコ・ニーナ)
出典:DECO*27
DECO*27さんは、ボカロ黎明期の2008年から現在まで第一線で活躍し続けているボカロPです。
2008年10月8日に「僕みたいな君 君みたいな僕」でデビューし、すぐに期待の新人として話題となりました。
ボカロPとしてだけでなく、さまざまなアーティストへの楽曲提供や柴咲コウさんとユニットを組んでライブにも参加するなど、活躍の場はとどまることを知りません。
2021年に投稿された「ヴァンパイア」は、2023年6月時点で6000万回以上再生されるなど、まだまだ進化し続けています。
②ピノキオピー
出典:ピノキオピー PINOCCHIOP OFFICIAL CHANNEL
ピノキオピーさんは、イラストレーターとしても活躍しているボカロPで、MVのイラストも描いています。
2009年2月23日に「ハナウタ」でデビューし、現在まで数多くのヒット曲を作り続けています。
2020年からは、工藤大発見という名前でシンガーとしても活躍するなど、今後の活動にも注目です。
③かいりきベア
かいりきベアさんは、ギターを駆使した癖になるリズムが特徴のボカロPです。2011年6月2日に「ワカレノオト。」で、ボカロPデビューを果たしました。
元々ヴィジュアル系バンドのギターとして全国のライブハウスを回っていたため、ギターをボカロ曲作りにも多く取り入れています。
2018年8月に投稿された「ベノム」はTikTokでダンス動画が話題となり、YouTubeでの再生回数も伸びていきました。2023年6月時点で再生回数は5,000万回を突破しています。
ボカロPの収入まとめ!
今回はボカロPの収入やどのように稼いでいるかを紹介しました。
ボカロPはYouTubeやニコニコ動画の広告収入、音楽配信やカラオケの印税、CD・グッズの販売、楽曲提供などで収入を得ています。
人気によって収入が決まるため、年収1,000万円以上も狙える夢のある職業です。
ただし収入は安定していないので、ボカロPだけの収入で食べていける人はごくわずか。学校や仕事を続けながらボカロPとして、まずは1曲投稿してみてはいかがでしょうか。